就職祝いのマナーに注意しよう
「学生」という特別な期間を終えて、いよいよ広い社会へと飛び立つ若者たち。本人にとっては、ドキドキ感やワクワク感、そして不安など……さまざまな感情を抱えるデリケートな時期だと言えるでしょう。
だからこそ、新社会人として新たなスタートを切る身近な若者に対して、「就職祝いで応援の気持ちを伝えたい!」と思う方も多いのかもしれませんね。
就職祝いは、人生の門出に贈る特別なギフトです。気持ちよくお祝いするためには、基本的なマナーを守ることも大切だと言えるでしょう。就職祝いを贈る際の、プレゼントの相場やタイミング、内容について解説します。また贈る側、もらった側、それぞれのマナーについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
贈り物の相場やタイミング

就職祝いは、就職が決まった身近な相手に贈るギフトです。親せきの子どもや孫だけではなく、たとえば年齢が離れた友人や恋人、また普段から付き合いのある後輩など……対象となる相手が幅広いギフトとしても知られています。
贈る相手が限定されないということは、それだけ「贈る機会が多い」ということでもあります。きちんとしたマナーを身につけておいて損はありません。
相場やタイミングについては、以下の項目でチェックしてみてください。
★就職祝いの相場は、相手との関係性によって変わる
まずは難しい、贈り物の金額についてです。相手に気を遣わせないためにも、「程よい金額」を意識する必要があります。就職祝いの相場は、相手との関係性によって変わってくるので注意しましょう。具体的には、以下の金額を参考にすると失敗しません。
- 子ども 30,000円前後
- 孫 30,000円~50,000円
- 兄弟・姉妹 20,000円~30,000円
- 甥・姪 10,000円前後
- 親せき 5,000円~10,000円
- 友人 5,000円~10,000円
- 恋人 5,000円~10,000円
それぞれの金額を記載しましたが、あくまでもこちらの金額は目安となります。親せきの子どもなど、自分にとって近しい相手に対して就職祝いを贈る場合、すでに「慣例」ができている場合もあるでしょう。また「1人の孫には50,000円で、あとの孫には30,000円」など、金額に差をつけると後々トラブルにつながってしまう可能性もあります。
親せき間や友人間など、公平さを意識して金額を決定することが、お互いの関係性を悪化させないための秘訣となります。
★就職祝いを贈るタイミングとは
就職祝いは、就職が決まったすぐのタイミングで贈るのがベストです。「就職が決まって嬉しい!」という気持ちを抱いている相手に対して、心を込めて「おめでとう」の気持ちを届けることができるでしょう。
とはいえ、相手との関係性によっては「就職したという知らせを受け取るのが遅れる」という可能性もあります。このような場合には、知らせを聞いたあと、できるだけ早いタイミングで就職祝いを渡すように意識してください。
さまざまな事情により、お祝いを渡す時期が遅くなってしまうこともあるかもしれません。このような場合でも、「入社式のあと1ヶ月程度まで」を意識すると、時期を外すことはないでしょう。ぜひ意識してみてください。
何を贈ればいいのか

就職祝いとして、どのような品物を贈るのかで困ることもあるでしょう。人生の節目となる大切なお祝いだからこそ、相手が本当に気に入ってくれる物を贈りたい……! でも具体的に何を選べば良いのかわからない……と悩む方は決して少なくありません。
一般的に就職祝いとして選ばれている物の例は、以下のとおりです。
- ・現金
- ・ギフトカード
- ・スーツやネクタイ
- ・バッグや靴
- ・財布や名刺入れ
- ・高級ステーショナリー
- ・アクセサリー
- ・カタログギフト
現金やギフトカードは、贈られた側が自由に使い道を決定することができます。新社会人として新たな一歩を踏み出す時期には、何かと出費もかさむもの。「非常に助かる!」と感じる方も多いのかもしれませんね。しかし一方で「金額がストレートに伝わり過ぎる」と、敬遠する方も少なくありません。
社会人としてのスタートを切る時期だからこそ、ビジネスで使う小物やグッズを贈るケースも少なくありません。この場合、相手の仕事内容や好みについて、しっかりと確認する必要があるでしょう。職場の作業着で仕事をする方に「ネクタイ」を贈っても、着用する機会はごく限られています。
バッグや財布についても、「求める機能」や「好みのデザイン」については個人差があって当然のもの。もし「どうしても選びたい」という場合には、白や黒、グレーなど、どんなファッションにもなじみやすいベーシックカラーのアイテムを選択するのがオススメです。相手の好みに左右されにくく、使ってもらいやすいでしょう。
新社会人にとっては手が届きにくい高級ステーショナリーも、人気のギフトの一つです。万年筆やスケジュール帳など、使い勝手が抜群で、比較的高価なステーショナリーは数多くあります。高級感も漂って、素敵なギフトになりそうですね。
相手が女性の場合には、アクセサリーも人気があります。大人っぽいデザインのネックレスやピアスは、公私ともに活用できる機会も多いもの。「大人としての第一歩を踏み出した記念に」という意図で贈るのも良いでしょう。
就職祝いにふさわしい品物にもいろいろありますが、難しいのは「これらの中のどれを選べば喜んでもらえるのか、わかりにくい」という点です。このような場合には、ぜひカタログギフトをチョイスしてみてください。上質なカタログギフトを選択して贈れば、その中から相手にとって本当に欲しい物、必要な物を選んでもらうことができます。
気を付けるべきマナー

最後は、就職祝いを贈ったり受け取ったりする際に、覚えておきたいマナーについて詳しく解説していきます。「ギフトを贈る側」と「受け取る側」、それぞれを分けて紹介するので、自身の立場に沿ってチェックしてみてください。
★贈る側のマナー
就職祝いを贈る側のマナーとして、注意しなければならないのが熨斗や水引についてです。水引については、「蝶結び」と「結び切り」のどちらを選んでも大丈夫です。
「蝶結び」は、何度あっても喜ばしい慶事に対して使われる水引。「就職祝い」は、そう何度も繰り返して起きる慶事ではありませんが、「1回だけ」と決まっているものでもありません。「蝶結び」と「結び切り」のどちらを使用しても問題はないとされています。
また熨斗についてですが、「就職御祝」や「祝御就職」、「御就職祝」などと記載しましょう。シンプルに「御祝」とするのもオススメです。
★贈られた側のマナー
次は就職祝いを贈られた側のマナーについて、紹介します。いただいたお祝いに対して、きちんと感謝の気持ちを伝えることは大切なこと。しっかりとした社会人として自立するためにも、ぜひ意識したいところです。
就職祝いは、人生の節目を祝うギフトで、いわゆる「内祝い」など、お返しの必要はないとされています。しかし「ありがとうございます」という気持ちを伝えることは、重要なポイント。お祝いをいただいたら、できるだけ早いタイミングでお礼状を出しましょう。
親しい友達や恋人の場合、そこまでかしこまる必要はありませんが、やはり「ありがとう」の気持ちを伝えることは、今後の関係を円滑に進めていくための秘訣にもなります。忘れないようにしてください。
心を込めて就職祝いを
子どもの成長に関するお祝いとして、総仕上げとも言えるのが、この「就職祝い」です。子どもや孫、親せきの子どもなど……幼い頃からその成長を見守ってきた相手が、いよいよ社会に飛び立つとなれば、「心を込めて応援したい!」と感じる方も多いことでしょう。
これから先は、社会人同士、お互いに気持ち良くやり取りを続けていきたいところです。心を込めて就職祝いを贈るためには、マナーを守ることが大切です。また当然、受け取る側にも、社会人としての自覚を持って、マナーを守って行動することが求められます。
就職祝いについては、予算や品物選びなどで、迷うことも多いかもしれません。しかし「就職後の長い仕事人生においても、頑張ってほしい」という気持ちを伝えてくれる特別なギフトです。ぜひ相手の立場に立って、本当に喜ばれる品物を選んでみてください。